2011年11月29日
なんば焼き2 焼き上げ編
スタッフMR2です。
「なんば焼」の取材2日目、今回は、すり身、練り、成形、焼き上げです。
前日、冷蔵庫に寝かせた身を細かな目のミンサー(肉ひき器)ですり身にします。
すり身は、すり鉢に移され1時間半も練り続けます。

長く練ることで粘りが出るので、つなぎの澱粉は全く使用されていません。
この製法は3代目に当たる今の社長が長い年月をかけて開発されました。
長く練っても温度変化による変質が起きないように、このすり鉢は特注の石臼でできています。
酒、みりんなどで調味を終えたあと、味見をさせて下さいました
雪のように白くて柔らかなすり身をドキドキ
しながら口に運ぶと……
美味しい~!
滑らかでほんのりと甘くて、これが魚からできているなんて驚きです。
とても貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました!

生地は素早く正確に正方形の型へ詰めます。
見事なヘラさばきを、無言で見つめ続けます

真ん中を盛り上げているので、焼くとなんば焼き特有の日の丸模様になります。




焼き機に並べて約30分、きつね色に焼けたなんば焼きからほのかに湯気が立ち上ります。
型から出して冷ませば、なんば焼きの完成です
続いて、ごぼう巻きにとりかかります。
前日ゆでたごぼうを3等分にして手のひらに乗せ、すり身を詰めます。


真ん中に細めのごぼうを埋めて更にすり身を盛り、ごぼうで埋め尽くします。


その上から、別に取っておいたエソなどの皮を綺麗に巻きつけます。


それを焼き網の上に並べて、4面をこんがりと焼き付けます。
芝菊商店では煙にいぶされた香りを残すため、今も網焼きを続けていらっしゃいます。
皮から滴る脂がジュワッと煙を上げるたびにいい匂いが立ち込めて、我慢しきれずお腹が鳴ってしまいました

焼き上げたら特製のたれに10分ほど漬け込んで完成

焼きたてのなんば焼きを試食させて頂きました
とてもぷりぷりなのに、噛む時はサクッと音がします。
『このなぁ、こんにゃくみたいな歯ざわりが大事なんやで』と微笑んだ社長の言葉に、尽きることのない努力となんば焼きへの深い愛情を感じました。
お忙しい中、長時間にわたる取材へのご協力を頂きありがとうございました!