2011年11月21日
上富田・鮎の養殖
スタッフK子です。
上富田町(西牟婁郡)の富田川沿いにある熊野水産様を「鮎の養殖」の取材で訪問しました。
和歌山県の養殖あゆは生産量日本一(2008年)を誇ります。

こちらでは、毎年11~12月に約120万尾の稚鮎を仕入れて、地下水を汲み上げた養殖池で5~6ヶ月間かけて育てています。

養殖池にはきれいな地下水を常に流し込み、3つの水車で空気を送り込んで酸欠を防いでいます。
ひとつの池には多いもので8~10万尾、少ない池でも3万尾ほどが泳いでいます。
流れに逆らって、たくさんの鮎が群れて泳いでいました。
出荷先の多くは、東京の築地市場など県外ですが、和歌山県内の市場にも出荷されています。

今回の取材では、築地市場向けに約1200kgの出荷準備をされていました。
築地市場へは、午前0時までに届けないといけないらしく、正午までに作業を終わらせ出荷するそうです。
池からは、大きなホースを使ってポンプで吸い上げるので、魚体に傷がなくつやつやと綺麗でした。

鮎を重さで仕分けしたものを、手作業でパックにつめていました。

飼育を担当する従業員の方にお話を伺いました。
1日の仕事は?
1日4回、餌やり。基本的に餌を機械に入れタイマー設定で自動的に餌を与えますが、餌の食べ具合を見るために手動に切り替えて餌を与える場合もあります。
1日2回、死んだ魚をすくう。
出荷する鮎をホースで吸い上げる

池には大きな照明が設置されていますが?
これは鮎に季節をだまして卵を持たないように日照時間を長くしています。逆に卵を持たせたい時は照明を切り、需要のあるお盆過ぎに「子持ちアユ」として出荷します。
※鮎のメスは日の短くなる冬に卵ができるので、ライトで日照時間を長くして卵ができないようにしている

いちばん大変なところは?
出荷する時期までに、成魚にすることが一番大変です。冷水病になったりしますから。
いちばん嬉しいことは?
鮎がちゃんと大きく育って成長してくれること。
子供たちへのメッセージありますか?
興味をもってくれて、鮎を食べてほしいですけどね。
もっと川で遊んで欲しい。そしてアユに興味を持って貰いたい。
※鮎の養殖で問題となる冷水病は、下あごから出血しやがてあごが溶けて死んでしまう病気です。
この病気に対して必ず効く薬はないそうで、前年効いていも今年は効かないようなこともあるそうです。
鮎は養殖も天然もこれからがシーズンです。気候もよくなっていく季節、晴れたら川遊びをしてみませんか?
今回、出荷作業の忙しい中、ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。